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list ★目が覚めたら人が消えていた 6

投稿日:2005/05/13(金) 20:55
目が覚めると頭が少し痛かった
昨日酒を飲みすぎただろうか
タバコを吸いシャワーを浴びる
内藤から聞いたネコを思い出し田中が消えていないか気になった

シャワーから浴びると田中がドアをノックしていた、消えていないことがわかり少し安心した
今日は内藤と合流出来るだろう、待ち合わせ場所を決める為電話をする
内藤はいつもの元気が無く「うん、うん」と返事をするだけだった
ネコが消えてしまった事が相当こたえているようだった
待ち合わせ場所は内藤の家の近くにある駅になった

投稿日:2005/06/05(日) 23:25
都内に入ると道がわからなく少し迷ったが内藤との待ち合わせ場所の近くまでは来たはずだ
予定の時間より30分ほど遅れてしまった
ずっと連絡をとっていたがいざ顔をあわせるとなると緊張してくる
メル友やOFF会というのはこんな感じなのだろうか

駅が近づくにつれて緊張が増してくる、どんな顔をして会えばいいのだろうか
この空気が辛くなってきて逃げたくなる、面接の直前で逃げ出したくなるそれに似ている
この世界にいるたった3人の内の1人と会うのにこんな事を考えてバカらしい
そんな事を考えていると駅は目の前だった
駅の前には人影が見える

投稿日:2005/05/15(日) 20:20
人影は車の音で気付いたようで立ち上がりこちらを見ていた
その人影の前で車を停める
「山田?」
「うはwwwキタコレwww」
内藤は坊主が少し伸びたカツオみたいな髪型に高そうだが上下の色が合ってない微妙な服装をしていた
整った顔立ちをしている、もう少し頑張ればイケメンの部類に入るだろう
昼食を食べないで来たからどこかで早めの夕食を食べながら詳しい話をすることになった


投稿日:2005/05/16(月) 00:00
ファミレスで夕食を作り食べる
世界から人が消えた事、稚内で見掛けた車の事、ずっと晴れたままの事、ずっと満月な事、食べ物が腐らない事
ライフラインが停まらない事、ネコが消えた件やこの世界で起きている気になることについて
話し合ったがなに一つ答えなんて出なかった
人がいた頃の常識を越えているのだから無理はないのかもしれない
共通している事はこの世界に違和感は無くそれぞれの価値観でこの世界が居心地が良いと思っている事くらいだった
内藤は田中にあまり絡まなかった、おそらく内藤は女性とあまり関わった事が無いのではないだろうか
とりあえず今日は内藤の家に泊まり明日以降の行動については明日話し合う事になった


投稿日:2005/05/17(火) 22:40
内藤の人生の全てはインターネット特にVIPを見ることでそれは日課であり生きる糧でもあった
人が消えてしまい他者との摩擦が消え楽になりインターネットが出来なくなってもそんなに辛くはなかった
ネコ(VIP)が現れてから内藤の人生は頂点に達した
1匹では生きていけない小さな仔猫は内藤を必要とし内藤も必要とされる事に喜びを感じていた
考えてみれば内藤は他者に必要とされていると感じた事は無かった
親ですらそんなモノは感じなかった
親は子を養うのは当然の義務でありNEETをしていてもうるさく言われない事に甘えていた
友達も彼女も親も必要としていなかった内藤にこの世界は理想であったが
心にぽっかり空いた穴のようなものを埋められないでいた


投稿日:2005/05/17(火) 22:45
内藤と同じ部屋に寝て色々話をした
田中は別の部屋に一人で寝ている
田中がいると内藤は緊張しているようで無口になりたまに喋ると声が裏返ったり言葉が詰まっていた
ニュー速VIPの話題で盛り上がりネコの話で涙を流した
2つのVIPを失った内藤は相当精神的にやられているような気がした、
俺達が来たからカラ元気でごまかしているようだった
今日はもう寝る事にする


投稿日:2005/05/17(火) 23:55
オレは目を開ける
時計は朝の7:35をさしている、カーテンの隙間から朝日がさしこみ眩しい
今日も暑くなりそうだ、部屋の外から人の動く服の擦れる音や足音が聞こえ
感覚を澄ませるとコーヒーの薫りとトーストが焼ける匂いがする、久々に人の気配を感じる朝だ
懐かしいような感覚がする
階段をかけあがる足音が聞こえオレの部屋のドアを数回叩きドアが開き小さな人影が現れた

「お兄ちゃん朝ご飯出来たよ!」
オレは起き上がりいつもの1日を始める


投稿日:2005/05/17(火) 23:55
目が覚めたら内藤が消えていた
どこかに隠れているのではなくこの世界から消えているようだ
それは確かめたわけではないがこの世界から内藤の気配が消えた感覚がした
内藤は何故消えてしまったのか
何かの条件が揃えば人は消えてしまうのかもしれない、まったくの偶然で消えてしまうのかもしれない
それは客観的にその現象を観測しなければわからないことだろう
これからどうしよう
タバコに火をつけてこれからの行動を考える


投稿日:2005/05/18(水) 00:40
内藤の家にある食糧で朝食を食べる
田中に内藤が消えた事を話したが特に驚いている様子はなかった
これからどうするか話し合う
東京に来る目的は内藤に会う事と食糧などの問題の為であったが今となってはどちらも意味をなさない
人の気配を広く感じられるようになり第六感の様なモノが研ぎ澄まされ俺達以外は存在していない確信がある
生存者を探す意味も無く東京にいる意味もない
とはいえ他にやりたい事があるわけではなかった
田中も同じでやりたい事はないらしい
朝食を食べ終りタバコを吸う
内藤家には灰皿が無かったので小皿を使った


投稿日:2005/05/18(水) 11:40
食事を片付け散歩に行くことにする
ここは都心部まで約20分、地下鉄1本で行けるベッドタウンだ
それほど高いビルはないが4~6階建マンションが多いようだ
瓦屋根の古い建物で縁側があり、庭には小さな池と何かの大きな木が生えている
一軒家の内藤宅はこの土地で場違いな独特の雰囲気を漂わせていた
この地域で一軒家を持ってるのは内藤の家は相当裕福だったんだろうか
すぐ横にコンビニに入りお茶とタバコを盗ってきた
内藤が普段利用していたのか弁当の棚は陳列がバラバラになっていてジュースは特定の種類だけ無くなっていた


投稿日:2005/05/18(水) 12:05
コンビニから出ると冷房の効いた店内と天気の良い外の温度差で一気に汗が吹き出し脱力する
東京(千葉県市川市)はこんなに暑いのか、
俺の住んでた所は20度を超えれば真夏だったのに今は25度くらいはあるように思う
タバコに火を付けてお茶のボトルをおでこに当てる
お茶のボトルはよく冷えて気持ちがよかった
駅へ向かう道を歩く相変わらず道には放置されたままの車がたくさんあった
人の気配がないのに大音量の音楽が漏れているパチンコ店、人がいたとしてもひっそりとしていそうな小さな薬局
ここの沿線は地下鉄なのに頭上を走っていて駅の下は商店街のように両脇に商店が並んでいた
駅を越えるとそんなに大きくないオフィスビルが多くあった
駅を跨いで住宅街とオフィス街で分かれているようだ
陽当たりの問題などで大きなビルは建てられなかったのだろうか
さらに進むと大きな公園があった
野球の試合を同時に2つは出来そうな広場とローラーが敷きつめられた大きな滑り台や簡単な筋トレが出来る遊具
市民プールが敷地内にあり公園の周囲には軟らかい素材で出来た地面のランニングコースがあった


投稿日:2005/05/18(水) 12:15
公園で一番高い滑り台の上に座りタバコを吸う
人がいた頃この時間は小さな子供も連れた主婦や午後の授業をサボった学生や
営業途中で休憩しているサラリーマンがたくさんいたと思う
休日には野球の試合や家族連れでさらに込み合っていただろう
人がいなければ広すぎる公園で夕方まで昼寝をしていた
人が近付いてくる気配を感じ目を覚ます
投稿日:2005/05/18(水) 22:30
滑り台の上にいたため公園内のほとんどを見渡せる
気配が近付いてくる方向に集中する、目を細めてピントを合わせるとそれは田中だとわかる
この世界には今2人しかいないのだから警戒する必要もないのだが本能的に警戒してしまった
自分しかいない部屋で物音がした時のようなものに似ている
田中がゆっくりこっちに近付いてくるのを見ながらタバコに火をつける、
ほとんど無風の世界に煙が登りここに俺は存在している事を誰かに知らせる為の狼煙を連想した
投稿日:2005/05/18(水) 23:40
山田が散歩に出かけて時間をもて余していた
普段なら退屈な時間が出来るといろんな妄想をして時間を潰していたが今はそんな気分になれない

田中なりにこの世界について考えてみた
私だけにある空白の1日がこの世界と何か関係があるのではないか
とは言ってみたところで私が消えていた時の記憶はないから寝ている間に消えちゃってたのかも

この世界に戻ってこれたということは消える=死ではないのかな

山田君と内藤君にはインターネットでの共通点があるけど私はパソコンもよくわからないし
お父さんのパソコンでたまにやったくらいだった
人は消えてもインターネットは出来るらしいから調べてみることにして内藤のパソコンを起動してみた
インターネットを見る為のアイコンを探していて日記と書かれたフォルダを見つけた


投稿日:2005/05/19(木) 00:00
2005/XX/XX
目が覚めたら人が消えていたwww家族もいなくなったけど気が楽だwww
VIPで糞スレ立てたり釣りをして遊べなくなったけどインターネットは出来るみたいで北海道に住んでる
山田と連絡が取れたwww

2005/XX/XX
人の目を気にしないで外に出れるのはテラタノシスwww
秋葉原に行ってエロゲを何本かもってきたwww
山田からおにゃのこが一人いたらしいことを知る
おにゃのこに会うのは緊張するかもwww

2005/XX/XX
秋葉原に行ってからおにゃのこに会っても恥ずかしくなくするため服を探しにいってきたwww
どこにいけばいいかわかんないから原宿に行ってみたwww
オレもついに裏原系デビュ~www
ぬこを見つけたけど逃げられたwww明日も探しに行こう!


投稿日:2005/05/19(木) 00:20
2005/XX/XX
ぬこは見つからなかったorz

2005/XX/XX
今日もぬこ見つからないorz
コンビニ弁当腐ってないwww

2005/XX/XX
ネコ缶の中身は無くなってるからぬこは生きているらしい
VIPが無いと退屈だ…

2005/XX/XX
今日もネコ缶は無くなってた
ぬこをなでなでしたスwww

2005/XX/XX
午前中にトラップを仕掛けておいてぬこ捕まえたwwwwwwテラウレシスwww
名前はVIP先生略してVIPwww

2005/XX/XX
ぬこと1日遊んでたwww
テラウレシスwwwテラカワイスwww
ぬこと一緒に生きていくお

2005/XX/XX
ぬこ消えた…
なんで?これからいっしょに生きていこうと思ったのに…

2005/XX/XX
山田がもう近くに来ているらしい
ぬこ消えたしどうでもいい

2005/XX/XX
田中は可愛かったけど話すのは怖い、山田はイケメンだし
2人共仲良さそうだしオレが入る隙間は無さそう
仲良くなってもぬこみたいに消えて同じ思いをするのは嫌だ
そもそも何でこんな目にあわなければいけないんだ
もうこの世界は嫌だ


投稿日:2005/05/19(木) 03:15
田中が滑り台を滑る方から登ってくる
ここの滑り台はローラーが敷きつめられていてローラーの回転で滑るタイプのモノだ
登りづらいうえに全長30mくらいはあるはずなのにわざわざそちらから登ってくるのだろう
ローラーの回転に何度も足をとられては数メートル滑りおちてを繰り返している
俺が記憶してる限り小学生の頃とほとんど変わらない身長のかなり小さい田中は本当の子供に見えてしまう
何とか俺のもとまでたどり着き息を整えスカートに付いた埃を払い隣に座った


投稿日:2005/05/19(木) 21:40
「こんなに大きな滑り台初めて見たから登ってみたくなったの、
ローラーがついてるなんて知らなかったから大変だったけど途中からは意地になっちゃった」

田中が持ってきた缶ジュースを2人並んで飲みながら午後の陽気の中時間が過ぎていく

内藤の日記の内容を聞いた
消える前日の日記は俺が寝た後書いたのだろう
俺たちの存在が少なからず負担になっていたのではないだろうか
数少ない生存者が消えてしまったのは残念だけど別に不思議ではないように思える
この世界では消えていく方が自然なのだから


投稿日:2005/05/22(日) 21:55
空が赤く染まるまで滑り台の上に座っていた
空気は冷たくなり今日はこれからどこに行くか考える
内藤の消えた内藤家に帰る意味はないが特に行く場所もなかった
田中と話し合い今日は夜になるのでとりあえず内藤の家を借りる事になった
駅の前にあるレストランに寄り田中が作った親子丼とサラダとビールを食べた
この世界に存在する2人が向かい合って食事をしている事を考えると不思議な気分になってくる
なぜ俺でなぜ田中なのか
疑問はたくさんあるが気にしないようにしておけばいつかその疑問に何も感じなくなるのではないだろうか
それが当たり前なり普通に感じられるようになった時本当の意味でこの世界に順応したことになるのだろう
事実俺は順応してきていた


投稿日:2005/05/24(火) 22:25
内藤の家に帰り田中が言っていた日記を見てみた
他人の日記を見るのはすごく抵抗がある
内藤がいないとわかっていてもドアの方に意識を集中していた
日記の内容は田中から聞いたものとまったく同じだったが
なにかがひっかかるような感覚が残った、どこにひっかかりを感じるのか特定出来なかった
最近も同じように魚の骨がひっかかってる時のようなものを感じたような気がするv
それすらいつ感じたのか思い出せない、疲れが溜っているのだろうか
VIPも見てみたが内藤と連絡を取った時と変わらなかった
他にはよくわからないソフトやエロゲーなどがいっぱい入っていた

内藤は消えてどこに行ってしまったのだろう、こことは別に人が存在する世界があってそっちに行ってしまったんだろうか
内藤の存在自体が物理的に存在する世界から消えてしまい元の世界の基準で言う"死"の状態になったとは思えない
俺たちには見えない手の届かないどこかで生きているような感覚が残る
根拠は無いがそんな気がする
一度は強く関わってしまったのだからどこにいようと幸せに暮らしてほしいと思った


投稿日:2005/05/26(木)) 14:19:35
北海道に比べるとこっちの夜は暑い
内藤の家には各部屋にクーラーが付いていたが俺が寝ている部屋はリモコンが見つからず使えなかった
たまに窓から入ってくる夜風が額に浮かんでいる汗を撫でて涼しかったが
ほとんど無風の世界でごくたまに入ってくる風だけでは暑さはしのげなかった
汗を吸って湿ったTシャツの肌触りが気持悪くよけい眠れそうになかった
布団から出てタバコに火をつける
汗を流す為にシャワーを浴びようか考えたがそんな気分にはなれなかった
Tシャツが背中に張り付きトランクスも汗を吸って肌触りは最悪だった、こんな時に吸うタバコは不味く1センチくらい吸った所で缶ジュースの残りに突っ込んだ
冷たく冷えたビールが飲みたくなってコンビニに行くことにした
Tシャツとトランクスを取り替えてサンダルをはいて外に出た
家の中より外の方が涼しかった
空を見上げると満月が明るく輝いていて星は1つも見えなかった


投稿日:2005/05/26(木)) 22:52:10
すぐ近くのコンビニまで歩くと後ろから誰かが近づいてくる気配がした
確かめるまでもなくそれは田中だった
田中も暑くて寝られなかった
田中の部屋にもクーラーがあってリモコンもちゃんとあったがクーラーの使い方がわからなかったらしい
確かに北海道の人間にはクーラーは特に必要なく使い方がわからなくても不思議じゃなかった
コンビニに着くとタバコ、ビール、いいちこ、スナック菓子を選んでカゴに入れた
珍しく田中も酒を飲むらしくチューハイやカクテルをいくつか選びカゴに入れた
カゴに商品をいれたまま店を後にして内藤の家に着く
またあの暑苦しい家の中に入る気にはなれなかったから外で飲む事にした
内藤の家を中心にコンビニとほぼ同じくらい反対に進むと10階立てのマンションの陰に小さな公園がある
小さい砂場と小さい滑り台と小さい鉄棒とベンチが1つだけある
内藤の家の庭を合わせた敷地より小さい公園だった
そこのベンチに座りカゴからビールとカクテルを取りだし乾杯をした

投稿日:2005/06/05(日) 23:00
「小学校の頃の事覚えてる?」

ビールを飲みながら満月を見上げていると田中が小さな声で質問をしてきた
「覚えていると言えば覚えているかもしれない」
この世界に来てから記憶は曖昧になっているが小学生の頃なんか元々よく覚えていない
運動会や合唱コンクールなんかのイベントですら断片的にしか思い出せない
記憶というより雰囲気を覚えていると言った方がしっくりくるかもしれない
匂いや味の五感から思い出す記憶やデジャヴのような感覚だ
田中から連想して思い出す記憶もいくつかあった

「クラスで大きな喧嘩があって私が泣いちゃって学校の外に逃げた時おいかけてきてくれたよね」
「あの時の会話はよく覚えてないけど小学生とは思えない大人っぽい雰囲気だった
今も昔と全然変わってないけど
元が大人っぽい人がそのまま成長したらそれも少年の心を残したまま成長した事になるのかな?」

「どうだろう?自分では成長してるつもりだけどね」
いいちこを瓶のまま飲むとアルコールが喉から食道を通る感覚がよくわかった
鼻から抜けるいいちこの香りが好きだった
田中はそれ以上この会話を続けるつもりはないのか新しいカクテルの開けて満月を見上げていた
田中が言っていたクラスの喧嘩は田中から連想される記憶のひとつだった


投稿日:2005/06/05(日) 23:25
いいちこも半分以上無くなりだいぶ過ごしやすい気温になってきた
正確な時間はわからないがすでに日付は変わっているだろう
かなり酔いが回っているが眠くはなかった
田中はベンチに横になり俺の太股に頭を乗せて眠っていた
足元にはカクテルの缶が5本転がっている
最後はかなり酔って地面を見つめたまま動かなくなりそのうちに俺の太股に倒れてきて俺は動けなくなった
タバコに火をつけて暗闇に煙を吐きだす街灯と月明かりに照らされた煙がゆっくりと登り
静かな風に流されバラバラになって見えなくなった
タバコの先から登る煙も同じ運命を辿るように消えていく
田中を見ると膝を抱えて丸くなって寝ていた
狭いベンチでは逆に寝ずらそうだった
その姿は猫を思い起こさせた


投稿日:2005/07/01(金) 13:53
田中を起こし部屋に連れていく
寝惚けているのか俺に向かって何か喋っていたがまったく聞き取れなかった
まだ寝るには酔いが足りなかったが胃が悪くなりそうなのでやめることにした
布団に横になると街灯に照らされた天井が陽炎のように揺れていた
自分ではまだいけると思っていたが実際はかなり酔っていたようだ
酔ってるいる時は焦点をしっかり合わせる事に集中しなければいつも吐いてしまっていた
目を閉じると生ぬるい水の中に浮かんでいるような気持ち悪さを感じた
田中が言っていた小学生の頃の記憶を思い出しているうちに温かい水の底に沈むように眠りに落ちていった


投稿日:2005/07/07(木) 10:50
目が覚めると10時を少しまわったところだった
田中はすでに起きていて庭先から空を見上げていた
俺が起きた気配に気付いた田中は微笑んで「おはよう」と言ってきた
この世界で出会った頃に比べると明るくなり笑顔が多くなったように思う
その変化は嬉しく思うがどこか寂しいような感じもした
なぜそう思うのか自分でもわからなかったが気にしない事にした
投稿日:2005/07/07(木) 11:15
遅い朝食を食べながら今日は何をするか考えていた
当初の目的であった内藤と合流する事や生存者を探す事は無意味になってしまった
家の中でだらだら過ごすのも悪くないと思ったが田中がどこかに行きたいと行ったので出かける事にした
結局その日は田中のショッピングに1日付き合う事になった
田中は観光や生存者探しではなく買い物が目的だった
田中は俺のよく知らないブランドの店や雑貨屋・靴屋・アクセサリーを売ってる店を見て喜んでいた
女の子は見せる相手がいなくても服装などを気にするようだった
俺はただその買い物を楽しむ田中の後についていくだけだった


投稿日:2005/07/08(金) 10:10
一通り買い物を済ませると車の中が服や靴の入った紙袋や箱でいっぱいになった
こんなにたくさんの服を着るのか疑問に思ったがどうせ俺たちしかいないのだから着なくても何も問題は無いだろう
人のいない世界では出来ない事を思いっきり楽しむのもこの世界での生き方なのかもしれない
最後に田中がドライヤーを欲しいと言ったので電器量販店に行った
田中がドライヤーを選ぶのに時間がかかりそうなので何かおもしろい物がないか見て回る事にした
人がいた頃は電器屋を見るのが好きだった
買うお金などないのにいろんな機能が追加された新製品を見てるだけで暇が潰れた
今ならいくらでも欲しい物を手に入れられるが特に欲しいとも思わなかった
投稿日:2005/08/17(水) 18:25
田中の買い物は空が朱く染まり始めた頃に終わった
俺は結局小さいノートパソコンと展示されているパソコンに刺さっていたPHSのカード、
一眼レフのデジタルカメラと車のシガーソケットから家庭用電源に変換するアダプタを持ってきた

これからの生活に特別必要というわけでは無いし物欲を満たしたかったわけでもない
まだ決めたわけではないがこれからしようとする事にあった方が便利だと思い持ってきたのだ

田中が今日はちゃんとした料理を作ると言ったのでスーパーに寄って食材を買いに行った
田中は上機嫌に鼻唄を歌いながら野菜や魚を選んでいた
人が消えたこんな世界でも女の子はやっぱり買い物をすれば気分が良くなるのだろう
俺は果物コーナーで今まで見たことない形や色のフルーツに心を奪われていた




このサイトは2005年5月に2ちゃんねるVIP板で連載された小説「目が覚めたら人が消えていた」のまとめです。
残念ながら未完に終わりましたが、
作者のブログにて再スタート・好評連載中です。

作品が終わり次第またのせます。ゴマ速十兵衛管理人。
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【2009/03/27 07:16】 目が覚めたら人が消えていた | track back(0) | comment(0) |
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